『屈服計画 聖抗天使レジストティア 僕の彼女が苗床にされた日』プロイェクト・オスト

今まで色んな変身ヒロインものの同人作を読んできましたが、設定、プロット、文章、イラスト、全てにおいて最高レベルだと感じました。とても文字数の多いライトノベルではあるのですが文章は簡潔であり語彙も平易でありながらイメージが伝わりやすく作者の実力の高さが発揮されておりました。このチームの他のヒロイン作品ももっと読んでみたいです。

※このレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

構成が素晴らしくてとにかくエロスが濃厚！　イチャラブを見せておいてからヒロインを怪人の餌食に叩き落とすスピーディさが実用性満点でした。逆転劇も所々に用意されて盛り上がりのあるストーリーです。惜しむらくは続きモノという点で、終わり方がちょっと残念。

商品紹介ページのとおりの展開で容赦なく進む。同程度の価格の商業小説と同程度の分量ながら、シーン数が多く、筆者のテンポ感の良さが光る。テンポが良いといっても内容が薄いわけはなく、ヒロインの変身メカニズムを的確に解析・突破しながら、悪の創造主の苗床として調教すべく計画的に積み上げられた敗北がヒロインを追い詰める。絶望的な状況を自身も十分認識し、身体も調教に順応しながら、か細い勝機を諦めない姿も聖抗天使レジストティアという名前に相応しい。苗床がテーマだけあって肉感的なデザインだが、根の口調は丁寧な、意志の強い真面目キャラで、そのあたりのギャップも素晴らしい。彼氏がエネルギー供給者になるシステムで、その彼氏が人質にされて一連の敗北を見させられる要素もあるが、彼氏側の描写はそこまで濃くないので、NTRモノとして見るよりは王道の変身ヒロイン敗北モノとして構えていた方が満足度は高いと思う。そういう意味ではタイトルにあまり期待しすぎない方がいいのかも。展開的に続編が予定されている。完結しなかったのが少し物足りなくもあるが、絵・文・キャラデザ共に十分な実力が窺える良作なので続きがいつか読めるのが楽しみでもあり、自分の中で賛否両論。