『胎昂律動セイクリッドヴィラネス』ABALONE KISS

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ゲームの雰囲気や物語は説明の通りですので、システムを絡めてゲームとしてどう感じたか？という視点でレビューさせて頂きます。本作品は、ゲームとしてはアドベンチャーとの事。サンプル画像のとおり、舞台となる都市のマップが出て、どこで何をするか選択し、それに応じてシナリオが進行する……と言う作りなのですが、遊んだ印象としては、その手のアドベンチャー(？ていうジャンルでしょうか？)とノベルゲームの悪い所を取ったような感じでした。アドベンチャーとしては、選択肢が色々出てくるので、｢どこを選ぶか｣でバリエーションが生じて欲しいと思います。その為にヒロイン達に何やらわくわくするエロパラメータが設定されているわけでしょうから。単発のエロシーンを伴うミニイベントをこなしてヒロインのパラメータを｢成長｣させ、規定値に達したら固定イベント……みたいな作りが理想のはず。ですが、ＣＧ回収のミニイベントを除けば、エロパラメータのどれが伸びるか？の3ルートしかありません。そのパラメータが伸びる選択肢をひたすら選び続ければそのルートコンプリート、で終わる感じ。そういうシナリオの作りにするには、ノベルゲームの方が向いていると思うのですが、選択肢を選んで自由進行にした都合でしょうか。ヒロイン達が次第に侵食されて｢堕ち｣て行く物語なのですから、次第に｢おかしくなっていく｣日常パートが大事だと思うのですが、マップで選択肢を選ばせる都合、そうしたパートが弱くなっているように感じました(ルートに入ればそこそこ描かれます)。グラフィックも物語もかなり好きでツボったので、だからこその｢ないものねだり｣だとは思うのですが、連続性強いシナリオを活かすなら、大量のテキストを読ませるノベル形式、画面デザインの方向を活かすなら、小イベントを増やしてヒロインを｢育てていく｣形式が良かったなぁと思うのです。