ウタカタ 『【耳かき・耳舐め】うたかたの宿 初冬の囲炉裏【バイノーラル・癒やし】』ウタカタ ■プロローグ季節は初冬。男は宿の予約をしていた。その宿は人里離れた田舎町……秘境と言っていいほどの山間にあった。木枯らしが吹き、閑散とした村には寂しく小川の流れる音だけが聞こえる。男は一人、その中を宿を目指し歩いた。宿に着いたが出迎えには誰も来なかった。だが、これまでも数度利用しているだけあって、いつもの部屋へ行き荷物を置き寛いだ... ウタカタ